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第7回 メテオ・ポラリス彗星賞結果発表!

様々な切り口から描かれた作品が集った
第7回「メテオ・ポラリス彗星賞」!

編集部が注目したのはどんな作品なのか――!?
気になる選考結果はこちら!

第7回 メテオ・ポラリス彗星賞結果発表!

大賞 賞金100万円+連載デビュー確約

該当作なし

準大賞 賞金50万円+デビュー確約

該当作なし

佳作 賞金30万円+掲載確約

アルコイ

みどりわたる

あらすじ

大学生の羽田が気になっている相手は、毎夜、アルバイト先のコンビニに大量のお酒を買いにくる女の子。彼女は、お酒を飲み、酔っている間だけ魔法を使う事ができるという、自称“魔法使い”だった――!

寸評

全体的にしっかりと描きこまれており、画力の高さは今回の応募作の中でも頭ひとつ抜きん出ていました。女の子もとても可愛く描けています。ただ、魔法使いという設定なのに、魔法を使うシーンが描かれておらず、恋愛ものとしても中途半端なため、読者にストレスを与える作品となっています。「酔うと魔法が使える」という設定は面白いので、今後は、設定をしっかりと生かした作品作りを意識してみてください。先に述べましたように、画力はピカイチですので、次の作品に期待しております。

小さな小さな魔法使い

よしだひでゆき

あらすじ

「おっぱいの大きさ=魔力の量」――という世界の魔法学院。才能はあるが、貧乳のため魔力が少ないコレッタは、才能はないが巨乳のキシェフと共に、周囲(特にライバルのリョーコ)からいつもバカにされていた。そんなリョーコとの決闘に敗れたコレッタは、巨乳になってリョーコを見返そうと考えるが――!?

寸評

「おっぱいの大きさ=魔力の量」――という設定が面白く、アクションシーンもしっかりと描かれており、テンポもよく、ページ数のわりにイッキに読める作品でした。ただ、女の子の胸がポイントの作品であるにも関わらず、女の子と胸が魅力的に描ききれていないのが残念でした。また、トーンに頼っている箇所が多いため、画面が見づらくなっています。アクションシーンやテンポはいいので、女の子の魅力、そして画面の見やすさを意識して、次回に挑んでください。

メテオ賞 賞金15万円+掲載確約

涙のヘルジャッジメント!

天乃ちはる

あらすじ

櫛名田幹也(くしなだ みきや)は妹・結花(ゆいか)の「もずく」を食べてしまい、泣かせてしまう。そして、さらに妹を泣かす言葉を放つと、幹也は地獄に飛ばされてしまい……!? 幹也が地獄に飛ばされた理由とは! 今、世にも恐ろしい●●神様のジャッジが下される!!!

寸評

キャラクター作りとギャグの魅せ方が秀逸な作品です。一般的な『地獄』の定義を逆手に取り、読者の予想を覆すギミックからは、「読者を楽しませよう」という作者の気持ちが伝わってきました。個性的な造形や口調を持つ神様をはじめ、登場キャラクター達は皆個性的で、読者視点キャラなどの役割分担もされており、テンポのよいギャグにも好感が持てます。絵柄や内容が「メテオ」の読者層に向いていたのも受賞ポイントです。しかし、この作品の醍醐味が読者に伝わるまでかなりのページが割かれており、読み進めないと伝わらない構成になっています。冒頭に読者を引きつけるページや、演出を工夫すると、作品の魅力がもっと伝わるでしょう。

奨励賞 賞金5万円+特製原稿用紙

私とワタシの事情

秋津貴央

私とワタシの事情

寸評

丁寧な描線に、しっかりとしたデッサン、加えて女の子キャラの豊かな表情が生き生きと描けており、作画面は全体的に高評価でした。そこまで描けているのに奨励賞に留まった理由は、ストーリーから想定読者が見えず、思春期の女子の悩みに「二重人格」というひと捻りが活かせていないと感じたからです。プロを目指すうえで、自分の作品を読む読者の想定は必須です。読者やテーマが明快になった作品を楽しみに待っています。

恋ぴよ

樹ソウマ

恋ぴよ

寸評

告白を邪魔するインコへの、主人公のゲスな行動がコミカルに楽しく描けています。前回入賞作と比べてもテンポが良く、読みやすくなっていました。ただ、前半はラブコメなのに後半はインコと主人公の関係を主軸とした動物モノ風にストーリーが変化していて、作品のターゲットやどこを一番見てほしいかがあやふやになってしまいました。画力には向上が見られますが、まだまだ上達できます。トーンに頼りすぎず、線の力でキャラに立体感を出せるように頑張ってみましょう。次回作に期待します。

まじかる☆ウサギスト

結希湊

まじかる☆ウサギスト

寸評

冒頭のインパクトやヒロインの可愛らしさ、動きのある絵など、全体的に完成度の高い作品です。男前なセリフを言ってもその姿はビキニ男子という、ツッコみたくなるシーンも満載でした。ただ、魔法少女というテーマにするのであれば、ストーリーや設定にもうひと捻りはほしいところ。今後の課題は『数ある作品に埋もれないキャッチーな要素』を盛り込むことです。勢いやインパクトは抜群ですので『この作品ならでは』を意識した次回作も楽しみにしています。

期待賞 賞金1万円+特製原稿用紙

milk crown

くろみつ

milk crown
イチモツ神社

畠中丈聖

イチモツ神社
color

嘉臣

color

審査員特別賞 賞金10万円

アルコイ

みどりわたる

アルコイ

矢上 裕先生の寸評

日常風景から得たアイデアの広げ方、等身大で存在感のある人物、丁寧な作画など、多くの点でとてもよくできていると感じました。なかでも評価したいのが脚本です。描きたいテーマをしっかり把握し、何が必要で何が不要なのか、どう展開させれば読者を引き込み印象的に表現できるのか、それらを客観的な視点で十分に試行錯誤されたのでしょう。脚本と絵を漫画としてまとめあげる、いわば漫画力の高さも相まって、コマ数以上の奥行きと広がりのある内容に仕上がっていると思います。読後には、不思議な魔法にかかったようなほんのり暖かい希望が心に残りました。今後、他の漫画家にはない、作者ならではの魅力が一層磨かれていくことを期待します。

総評

第7回「メテオ・ポラリス彗星賞」で、数ある応募作品の中から特に注目を浴びたのは下記の3作品!

審査員賞と佳作をW受賞したみどりわたるさんの「アルコイ」、佳作を受賞したよしだひでゆきさんの「小さな小さな魔法使い」、そして、前回に引き続き、メテオを楽しんでいる読者の皆様にぜひ読んでいただきたいと思わせた、天乃ちはるさんの「涙のヘルジャッジメント!」がメテオ賞を受賞しました。

今回の応募作品は、どれも個性的で、どの作品も賞に選ばれてもおかしくないクオリティのものが多かったです。 新人賞も回を重ねるごとに、作品の応募数やクオリティが上がり、編集部一同、とても喜んでおります。

入賞した作品とそうでなかった作品の分かれ目は、自分の絵柄と作風が合っていたか、ターゲットの読者を意識し独り善がりの作品になっていなかったか、そして作品に『個性』があったかです。

全体的に多かったのが、いわゆる王道な展開を作品に取り入れたものです。 王道を取り入れるのは悪いことではありません。むしろ推奨します。 ただ、王道を取り入れるだけでは、作品は魅力を放ちません。 自分だけの独特なキャラクターや設定、世界観、そして、『読者を楽しませる工夫』が作品に取り入られてこそ魅力を放ちます。

ぜひ、自分だけにしか描けない物語を生み出してください。

次回の新人賞の締め切りは2016年10月末を予定しております。 本気でプロ漫画家デビューを目指す皆さんの作品を、編集部一同、心よりお待ちしています。